武重本家酒造
(長野県北佐久郡望月)

 
 

商品開発では、不思議なお酒をブレンドした13度の純米酒「つゆ草」が好評です。 また、新しいタプイプの貴醸酒(酸を出したさっぱりタイプで13度)も開発しました。また、消費者とのコミュニケーションを強化するため昨年から「酒蔵開放」を始めたところ、昨年450名、今年は927名と予想を大幅に上回る来場者があり、お酒と蔵の雰囲気を楽しんでいただきました。

ところで、「あ、不思議なお酒」タイプの低アルコール酒の販売量は随分少ないですね。

 はい。お恥ずかしい程度の出荷量です。先に述べましたように主たる客層がいわゆる伝統的な日本酒ファンですし、せいぜい来客用に買ってくれる程度ですから。ただ、発泡純米酒はぜひ手掛けてみたいと思っています。

抗潰瘍酒についての期待の言葉を。

 私としては、お酒もさることながらこのエキスを入れた水の販売、「水商売」に関心があり、お酒の販促材料としても大いに期待しているのですが。


「文化財酒蔵」にふさわしい白壁土蔵

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 武重本家酒造は、限られた在来型の客層を相手に苦労されている典型的な小規模蔵である。小売直売が大半というからその分流通コストが節減できるとはいえ、需要減少と競争の二重苦の中で経営の舵取りはさぞ大変であろう。しかし、時間的に近くなった首都圏への進出、地域を越えた連携(特にSRN会員企業との)、他業種で有形文化財指定企業との共同マーケティング、「文化財の中で醸し出された酒」というイメージの活用、消費者への直売(ダイレクト・マーケティング)などチャレンジの余地は多々あるのではないか。「文化財酒蔵」という財産を武器に、新しい世紀における小規模蔵のモデルとなるような魅力溢れる蔵へ向けての歩みを心から期待したい。
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【会社データ】

  • 従業員数:14名(季節蔵人4名)
  • 創業:慶応元年
  • 製成数量:約280kl
  • 課税移出数量:
  • 特定名称酒比率:25%
  • 杜氏:新潟杜氏
  • 販売先構成:

 

 長野新幹線で軽井沢の次の佐久平駅は、まさに高原の真っ只中にある。ただ、新幹線効果というのか隣接する形で巨大なショッピング・モールがでんと腰を据えていて、駅周辺の風景は単なる静かな高原ではない。ここから車で約20分、中山道望月宿を経て細い道を下って行くと時代を感じさせる白壁の家が数軒立ち並ぶ。その中心が武重本家酒造(株)である。
 慶応元年に酒造りを始めるまでは叶屋と称する豪農であったというが、その名残りを十分に留めていて、本年4月の文化財保護審議会で同社と武重家の建造物30点が「登録有形文化財」として答申された。この制度では、修理・改造が比較的自由なので、酒造りをしながら保存していくことができる。工学部精密工学科出身。ソフト会社経営。33歳で蔵に呼び戻されてから約7年という髭武者。日本酒メーカーとして最初に自社でホームページを作成された武重有正常務に率直な質問をぶっつけてみた。

日本酒需要は全体として低落の一途をたどっていますが、「御園竹」の売れ行きはどうですか

 残念ながら当社でも売れ行きは落ちています。生産能力は3千石あるのですが…。佐久の川西地方で売上げ70%を占めていてまさに地の酒なのですが、以前のように日本酒をあまり飲んでくれなくなっただけでなく、需要の中心が一升2千円以下の普通酒という構造ですから。大吟醸のような高級酒は贈答に使われる程度で日常はあまり飲まれないのです。

日本酒低迷についてもう少し分析してみてください。
 まず核家族化が進行して、父親が晩酌するという風景、習慣がなくなり、手軽な酒で済ますという傾向になっていることでしょう。また料理にもあまり使われなくなっているなど日本酒が家庭において身近な酒ではなくなっているように思います。


 

 

 

 



蔵の入口にて:武重有正常務 

大変ですね。この事態の打開策としてどのような手を打っておられますか。
 たとえば、ターゲットを30〜40代の女性に絞って、「元旦に甕の酒を皆で飲もう」というキャッチフレーズで甘口純米酒を「元旦届けお年賀甕酒」(甕、杓、猪口のセットで5700円)を8百セット予約販売したところたちまち完売しました。