渡辺酒造合名会社
(東京都武蔵村山市)

 
 

《会社の沿革と銘柄の由来は・・》
 それまでの搾油業、醤油製造業に加え明治10年に酒造業を興したのが始まりで、しんしんと雪が降り続く中、新しい酒の誕生を祝うような穢れのない純白の雪を眺めつつ、『雪華』と名づけられました。そして商号上の都合から「吟雪」と名づけられ、今日まで続いています。
 昭和9年に会社組織に移行し、昭和36年から純米酒の醸造を始めました。同39年には四代目が本物志向の取組みとして約100社とともに「本醸造協会」を設立して以来「本物づくり」をコンセプトに酒づくりを行ってきました。また、新しい技術にも積極的に取組んでいます。
 平成13年10月には新仕込蔵が完成し、平成14年4月に「米米酒」を発売しました。

《お客様とのコミュニケーション方法は・・》
 お客様とのコミュニケーションを図るために無料で「蔵見学」を受け付けており、年間500名程度の見学者があります。
 ただ、酒造りを十分に理解して頂くために少人数ずつの事前予約制をとっており、大型観光バスはあまり入れないようにしています。
 というのは、見学の場合、本当にお酒に興味のある人を対象に「もろみ」まで見せるため、あまり多勢だとしっかり説明もできませんので、せいぜい20名様止まりにしています。
 サラリーマンなど、平日にはなかなか来ることのできない人のために、土・日でも対応するようにしています。
 見学に参加している人は、地元の人が多いのですが、中には都心部や他県からの人もあり、また、リピーターの方も結構ありまして、年間では500名程がみえています。また、街道沿いに蔵のイメージの外観をしたショールームを設けて、年中無休で営業し、直売を行っています。
 陳列商品は、お酒だけでなくライスパワー関連商品や和菓子、小物類の販売も行っています。以前にイベントなどで使用した小物などもちょっとしたお土産に丁度良いようで、もう一度日の目を浴びたりしています。

《製造部門の体制は・・》
 現杜氏は、昭和50年に就任した秋田・山内杜氏で、製造部門を統括しており、私はほとんど蔵には入らずサポートに徹しています。
 造りは2季醸造ですが、ボトリングは通年で行い、8月は主にストックづくりにあてています。


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 今回は、東京で唯一の会員会社、渡辺酒造にお邪魔することにした。冬とはいえ、陽射しはやわらかく、どこか春の気配を感じる日、JR中央線の特別快速電車に乗ることおよそ30分で立川に到着した。
 ここ立川は多摩地区の中央部分に位置し、東西に流れる多摩川や武蔵野台地開墾の源となった玉川上水が北部を流れ、武蔵野の面影を残している。
 しかし、人口16万人都市の中心である立川駅周辺は、ショッピング街やデパートが空中の通路で結ばれ、その空中通路を跨ぐように多摩都市モノレールが走っている。
 このモノレールは、東京都と周辺自治体、私鉄などの出資で平成10年11月から営業を開始した都市交通手段で、多摩地域の南北間のアクセスを格段に向上させている。
 渡辺社長によれば、蔵へのアクセスは、新しく快適で、高いところからの眺めも楽しめるモノレールの利用を勧めているということなので、今回の訪問ではこのモノレールを利用した。車内は広くゆったりしていて、箱根や富士山が遠望できるモノレールに乗ること約20分、北の終点「上北台」で下車。
 東京の主要な放射状道路のひとつである新青梅街道を車で10分ほども走ると、市役所も近くにあり、住宅も密集している地域に目印の大きなお酒のビンが見えた。蔵に到着である。住居との兼用オフィスにおいて渡辺洋司社長からざっくばらんに語っていただいた。

  
        街道沿いにある蔵の前景